Date: Thu, 25 Oct 2001 06:29:15 +0900
野閑人@[江戸]風俗にうつつを抜かす(江戸趣味と言って欲しいなあhihi)
ひいといの日曜日(21日)はえいお天気じゃった。抜けるような青空の下、本物の木遣りを聞くために深川木場へ行ってきたぞね。
(木場木遣り)
膝まである半纏に帯をきゅっと締め、肉に食い込む細い股引をはき、黒足袋に草鞋の、少々トウの立った兄さん方が十数人で唄う木遣りは実に迫力があった。
木遣りは、江戸だけで百種類以上あり、ここの木遣りはイナセな木場鳶達が三百年以上唄い継いできた「木場木遣り」というもの。
コロを使って材木を運ぶ(岡引きという)時に、梃子前(先導者)が木遣りを唄い、後を追うように全員で合唱して、重い丸太を運びながら唄われた。
力を入れる時、息を継ぐ時、という具合に唄われてゆく。
また坂道等でコロがつっかえて丸太が動かなくなった時にこらえるために唄う木遣りもある。
また、重い材木をゆっくり引く時、軽いのを早めに引く時、等で大間、中間、という具合のテンポの違う木遣りを唄う。
江戸時代も後半になると、慶弔等で、聞かせる為の木遣りも出てきた。
これには今は木遣りの定番になっている「真鶴」「手古」「駅路」等がある。
出だしは「よお〜〜〜〜〜えんや〜〜〜〜りょお〜〜〜〜〜」と来る。
これらの木遣りの哀調を帯びた曲調は、実に江戸前で、イナセで、江戸芸の至宝とも言えるものになっている。
鳴り物(三味線、笛、太鼓)入りのお座敷唄とは、ちょっと格調の高さが違う。
アシが想像するに・・・・・、
遠くで木遣りの声が聞こえてくると、家で働いていた下町娘は外に飛び出して、もしや、あたしのあの可愛いお方が居やせんかと、胸をとどろかせながら必死に、丸太を引く兄さん方を目で追った。
(ホンマかなあ。hihi)
また「木遣り念仏」を始めて聞いた。
十数人が座って円陣を組み、直径十尺はありそうな、縄でこしらえた大きな数珠を持ち、それをぐるぐる回しながら木遣り念仏というのを唄う。
この時は木魚と鉦の鳴り物が入る。
なんせ、木遣りの曲で「なんまいだ〜、なんまいだ〜」を全員でやるので、その賑やかなことといったら、葬式だかお祭だか分かりゃしねえ。